布施、持戒、忍辱、精進、禅定、知恵。
今朝の読経であらためて感じたが、この六つは、このような順番で覚醒していくのではないかと思う。
これは並列に並べられた言葉ではない。
まず布施。
布施行はよく誤解されるが、最初の一歩として非常に大切だ。
資本主義や契約観念からの評価によって布施のうち特に財施が批判されることがあるが、こればかりは世俗の考えでは理解はできない。
祈りを心の深い所に沈めていくために布施は必須だ。
布施行は感謝の行だ。
信心を得てはじめて理解されよう。
そして、持戒、忍辱、精進。
これは性エネルギー昇華の実践と多く重なるだろう。
持戒は、意地になって守る時期は必ず必要だと思っている。
自らの心の反対にも耐える意味での忍辱というものもある。
苦しい思いをしながらの奉仕という精進もあるだろう。
しかし、そういう灰色のような時期を何度も行いによって乗り越えていると、僅かであっても明るく輝くものが確かに生じてくる。
それが禅定という正しい心得であり、生きた知恵だ。
禅定が性エネルギーに道を与え、確かな知恵を生み出していく。
この禅定と知恵が盤石になってくると、信心も有難く楽しくなってくる。